解剖学と情熱で道を拓く エピソード1

日常世界は苦悩の日々

喜んでもらえるのが生きがいで、本格的にヨガを学びたいと決意し資格を取得したものの、レッスンには思うように人が集まらず苦悩する日々。

人と比べられるプレッシャーに耐えかねてヨガ講師をやめていく同期や、体を壊してしまう人もいました。周りの状況に私も苦しくなって、このままヨガ講師を続けていけるのだろうかと落ち込んでいました。

光が差し込んだ

「このままではいけない。」

ヨガの指導をする以上、生徒さんから喜んでもらうためにはどうしたらいいの?

過去に生徒さんから言われた言葉を思い出してみる。

「カラダが固いから恥ずかしい。」

「できないポーズがあって悲しい。」

中には整体に通いながらレッスンに参加される方までいらっしゃる。どうしたら固い身体でもヨガを楽しめるのか?

そこで、解剖学を取り入れることを決意。体の構造や筋肉の動きを深く学び、健康的な体づくりを追求する日々が始まりました。

地道に学ぶ、長い道のり

解剖学の知識をヨガに取り入れることは、決して簡単な道のりではなかった。

だって私はアラフォー、いやもうアラフィフだろと言われるかもしれない。人生半世紀目前の私。

右からいれた知識は翌日左から抜けている。

記憶は時間経過とともに失われていき、特に学習後20分後と1時間後に急激に忘却するんだそう。1日後にはおよそ74%の記憶が失われるとされているのだけど、私は体感的に85%抜けている。

必死でメモしてメモしたことで満足してしまう。一気にたくさん詰め込んで、どこに書いたか探すのに時間がかかっている。これは重要だ!と赤字で書くと、学習終えた頃には、ノートが真っ赤。

専門的な知識を習得するだけでなく、それを体得し、知識を吸収し、わかりやすく噛み砕いて生徒さんに伝えるための指導法を確立する必要がありました。何度も動画を見返したり、何冊も本を買って調べたり。でも日々は待ってくれない。翌日にはもう現場で教えていかなければならない。

わかったふりして教えるなんてできない。

そこで、前日に入れた知識を翌日のレッスンでお話する「アウトプットレッスン」というのをやっていきました。

変わったのは、私の心

解剖学の知識を入れたら、理解していないと教えれない、と思い込んでいた私。

生徒さんに理解させようと思うから、自分の記憶と格闘してしまう。だったら、「今日の豆知識のお話」として、1こだけ準備して、自分により理解を深める作戦を実践することにしました。1日1個、地道ではあるけど、1年で365個に知識になる。レッスンのない日はSNSで発信したり、どこかにアウトプットする習慣を作ることにしたのです。

「みなさん、人間の骨って全部でいくつあると思いますか?」

自分の覚えたことを出す場があるなんて、こんな環境使わない手はない!

人は一度にまとめて学習するよりも、時間を置いて繰り返し学習する方が記憶の定着率が高まるそう。

しかも能動的に学習する(人に教える、問題を解くなど)方が、受動的に学習する(講義を聴く、本を読むなど)よりも記憶に残りやすいとされています。そこで、レッスンの冒頭で解剖学に基づいた1つ豆知識をお話することで、自分の記憶を深めることを続けていきました。

すると次第に指示してくださる生徒さんが増えてきました。

「おもしろいことを話している人」「常に勉強している人」「おしゃべり好きな人」

どう思っているかは聞いていませんが、「嫌い」ではなさそう。

「私の事はきらいでも、解剖学のことは嫌いにならないでください!」

今度、生徒さんに聞いてみようかな。

続けれる理由

生徒さんの笑顔と『ありがとう』の言葉が、私の原動力。

今日は新たな講座を開設するため、体験会を開催。中には遠方から私に会いにきてくださった方もいて、またそれも励みになりました。

これからも解剖学とヨガを融合させた指導を通して、多くの人の心と体の健康に貢献していきたいです。

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