私の日常が変わった日<エピソード9・誘惑>

<前回のあらすじ>

弱い自分。苦しみから逃げたくなった心は迷走の無限ループの沼にはまっていったのです

抜け出せない…迷走のループ

まるで底なし沼に足を踏み入れたように、前に進みたいのに、何かに足枷をかけられているようなもどかしさ。時間だけが無情に過ぎていく焦燥感。

そんな堂々巡りの中で、ふと、ぼんやりとですが、自分自身の心の奥底にある願いが見えてきたのです。

「私は、一体どうやって人の役に立ちたいのだろう?」

もし、私がいなければその人の不調を改善できないのだとしたら?私が動けなくなったら、その人は永遠に助からない?それは本当に「助ける」ということなのだろうか?

ふと、そんな疑問が頭をよぎりました。

私が目指すべきは、私がいなくても、その人自身が自分の身体と心をメンテナンスできるようになるための「教育」なのではないか。自分の身体づくりは、最終的に自分自身でコントロールできるようになることこそが、本当の意味での「助け」なのではないか。

そう考えるようになった時、再び私の目に留まったのが「40代オーバー女性限定、表情筋トレーニング」のコンテンツでした。

そこにいたのは、結婚、出産を経てシングルマザーになったにも関わらず、自分の可能性を信じて力強く歩み、多くの40代女性から支持を集めて活躍している女性でした。

楽しそうに仕事も遊びも謳歌している彼女の姿は、当時の私にとって眩しすぎるほどでした。「母であること」を理由に諦めていた自分、挑戦することを恐れて前に進めない自分。そんな自分と比べてしまい、胸が締め付けられるような苦しさを覚えました。

「これこそが、私の新たな挑戦になるかもしれない…!」

そう直感した私は、藁にも縋る想いで受講を申し込んだのです。

お金の壁

しかし、そこで待ち受けていたのは、想像を遥かに超える高額な受講料でした。事務局からの返信には、冷たい一文が添えられていました。「まずは受講料を稼いでからお申込みください。」

これまでも結局、「お金がない」という理由で、本当にやりたいことを諦めざるを得なかったこと。それが、私にとって最も大きなストレスの原因でした。

結局、お金がないといけないのか。お金を稼がなければ、挑戦することさえ許されないのか。

湧き上がってきたのは、強い憤りでした。

そこから、私の気持ちのベクトルは、いつの間にか「お金を稼ぐ」という方向へと大きくシフトしていったのです――。

次回、「お金という名の悪魔、そして新たな野望の芽生え」にご期待ください!

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