<前回のあらすじ>
もう一度自分の人生を生きる。そう強く決意した私は、震える手で、その扉を開くことを決めたのです――。
運命の出会い、そして始まる新たな挑戦
「もう一度自分の人生を生きる。」
あの時、そう強く決意した私の指は、未来へと続く扉を確かに捉え、震えながらもそれを押し開けました――。
その先にあったのは、時間とお金の自由、そして「地域一番の女性インストラクター」という、諦めかけていた夢の実現。何よりも、我が子の挑戦を、お金がないという理由で諦めさせることのない、全力でサポートできる母になりたいという、切実な願いでした。
師匠から最初に与えられたのは、私にしか創れない「商品」を見つけるための、深く、そして多岐にわたるワークでした。
「あなたが今持っていることを、できる限り出し切ってみてください。そうすることで、捨てるべきものと、残すべきものが、はっきりと見えてきます。」
師匠の言葉に導かれ、私は自分の人生を、まるで履歴書を書き出すように、一つ一つ丁寧に振り返りました。
幼い頃から続けてきた習い事、情熱を注いだ部活動、周囲に反対されても貫き通したこと、昔夢中になった趣味、そして今も大切にしていること。勉強して得た資格、これまでの職務経験……。
頭の中に浮かんでくる記憶の断片を、まるで宝物を見つけるように、一つずつ書き出していきました。
ワークの中から「得意」と「到達力」を見つけることで、ビジネスの核となるべきものが明確になる。そう信じ、フルマラソンでの記録、北海道や石垣島を制覇した経験、何十時間もかけて作り上げた子供たちのDVDなど、達成感を得た出来事を書き連ねました。
さらに、「ありがとう」と言われて嬉しかった経験を思い出すことで、自分では気づきにくい「独自のウリ」が見えてきたのです。トレーニング指導での喜びの声、ヨガレッスンでの感謝の言葉、心を込めたサプライズプレゼント、そして何よりも、涙を流して喜んでくれた子供たちの卒園DVD。地域のボランティア活動を通して感じた繋がり。それらは全て、私の大切な財産だと気づきました。
心の底から没頭できることを見つけるための問い。自分のチャレンジが形作られていく瞬間、計画通りに進む達成感、予期せぬ出来事にワクワクする気持ち、相手の喜ぶ顔を想像する時の高揚感……。それらは全て、私が前に進むためのエネルギーなのだと知りました。
自分にも気づけていない可能性が見えた
日頃から気になっていること、無意識に惹かれるものの中に、自分だけの専門分野が隠されている。
筋トレやヨガ、ピラティスの専門書、表情筋トレーニングへの興味、そして心の拠り所となる聖典。それらは全て、私を形作る大切な要素でした。
問題意識の中にこそ、まだ誰も解決していないニーズがあり、自分にしかできないビジネスの種が眠っている。
人と人との信頼関係、正しい方向に使われるべき知恵、利他の精神、社会の闇への警鐘、ギブ&テイクの精神、頑張る人が報われる仕組み、信じることの大切さ、個性を尊重しつつ繋がれる場所……。
様々な問題意識を書き出す中で、私が本当に大切にしたい価値観が浮かび上がってきました。
私は自分が何者なのか、何ができるのか、そして何を目指したいのか、ようやくその輪郭を捉え始めたのです。
まるで、暗闇の中に一筋の光が差し込んだように。
後悔のない人生を送りたい
一度は消えたいとさえ思った人生。それでも、逃げずに進むと決めた私。
これから先も、きっとたくさんの失敗を繰り返すでしょう。それでも、自分を信じて、私を待っている人がいる。その人たちのために、そして何よりも、もう一度自分の人生を愛するために、私はこの人生を力いっぱい生きていく。
次回、「私だけの『種』を見つけるまで…そして、いよいよ始まる起業への道」にご期待ください!
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