わたしが、まだヨガインストラクター駆け出しのころの出来事です。
「自分のレッスンを参加者満員にしたい!」って
フンフン意気込んでいた当時のわたし。参加してくださる生徒さんが何をやりたいと思ってるのか、どんなポーズをとれたら嬉しいのか、それさえわかればもっと参加者が増やせるかも!
ビビビッ!ときたわたしは「もしやってみたいポーズがあればリクエストしてくださいね!」と毎回レッスン後、生徒さんに伝えていたことがありました。
生徒さんからリクエストされたかというと、
はい。いっさいされることはありませんでした。
言いづらいのかなぁ?なかなか自分から言うのは勇気いるだろうし。だったら直接聞いてみよう!と、生徒さんの中でもヨガ経験が長そうなすゞきさんに、
「すゞきさん、次はどんなレッスンがいいですか?」って質問したんです。
<りっぽ>さんがやりたいことをやってくれればいいですよ~。
という、「わたし任せでいい」という返事がかえってきました。
ホントに?遠慮してるだけでしょ?なんだか納得いかなくて。
「それじゃ、せっかく参加したのにつまんなかったら嫌じゃないんですか?」
ってさらに質問してみたんです。
すゞきさんは笑顔でこう言いました。
「“ついてきて”って自信もってやってくれれば、どんなポーズでもいんだよ。
<りっぽ>さんが私らに合わせるんじゃなくて、私らが<りっぽ>さんに合わせるから。
嫌ならやめていくから気にしないでいいんだよ」
そういうことだったんだ・・・
他の生徒さんも、どんなポーズやりたいかなんて言われても、「そうそう、これがやりたいの!」
そういう気持ちでヨガしに来てるんじゃなくて、「その空間の流れに身を任せて、身体を整えたい」
そう思ってヨガしに来てるんだって気持ちがわかった瞬間でした。
それからは、わたしは毎回テーマを決めてレッスンをおこなうようにしました。最初に生徒さんにゴールがどこなのかをお伝えし、道筋を想像させながら身体を整えれるようにお伝えしています。
最近は、1か月でゴールの筋道を誘導できるように、月ごとにテーマを決めてレッスンをおこなっています。生徒さんはありがたいことに毎回8割は埋まるようになりました^^
さて、すゞきさんですが、
その質問の2か月後、「腰痛がひどくなってしまって・・・」と退会していきました。
「腰痛が良くなったら、また戻って来ますね!」と笑顔で去っていったすゞきさん。
その後、とあるヨガスタジオのインストラクター紹介ページにすゞきさんのお顔を発見。
開脚前屈したすゞきさんは、あのときと同じ満面の笑顔で写っていました。
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